根付師 河原明秀 作家インタビュー

 |根付師  河原明秀 vol.01

第1回 根付師インタビュー 河原明秀

河原明秀インタビュー02

この世界に入って65年。半世紀以上にわたり今でも現役中の象牙根付師河原明秀先生の工房を訪問してきました。今年で81歳になる河原明秀先生の根付作品に対する情熱と作品愛が伝わるインタビューとなりました。

 Q.この世界(仕事)にはいったきっかけは

「私は幼少の頃から手が器用でした。戦後の復興で周囲がまだ家もバラックだった終戦後、進駐軍のお土産品として象牙製品のニーズがあったことから、輸出中心に象牙作品の製作を始めました。」

河原明秀 インタビュー河原明秀 インタビュー02

 

Q.彫刻歴・師匠名を伺えますか

「親戚の小林先生が師匠になります。手が器用だったことがきっかけで師匠に誘われ、中学卒業後の16歳の頃、4人弟子の1番弟子として約6年間の修行をしました。」

独立後はその独創的な作品に注目が集まり、様々な方面から作品製作依頼の声がかかり、忙しい日々を過ごされたそうです。

 

Q.作家人生で印象に残っていることは

「約30年前、当時象牙根付のコレクターとして知られていた高円宮様からお声をかけられ、東京で開催された大使館のパーティーに象牙作家仲間と一緒にお招き頂戴いたことが今でも印象に残っています。他にもアメリカの象牙根付コレクターからご招待いただいたハワイでのパーティーも印象深い出来事でした。」

河原明秀 インタビュー04   河原明秀 インタビュー

Q.作風や自信作をお聞かせ下さい

「動物ものが作風の中心ですが、特に河童やカブトムシが代表作とも言える作品です。」

河童の背中にベッコウをほどこした作品は河原明秀先生の独創的なアイデアとしてコレクターからも評価が高い。また代表作の一つカブトムシとクワガタの絡む根付作品は、今でもコレクターからの注文もあり、その発想力・繊細なデザインは一流根付師しかなしえない芸術品と言えよう。その作品は京都の清宗根付館に展示されている。

根付作品 根付師 河原明秀(ホラ貝を吹く翁)   根付作品 河原明秀 河童手足長

根付作品 根付師 河原明秀(寄面)   いぬ 河原明秀 根付

◆インタビューを終えて

もうすぐ81歳になる河原明秀先生はまだまだその腕は衰えることなく、自信作について話す先生の目と声は力強さとエネルギーを強く感じました。まさに後世に残る作品を作り続ける根付界の名匠とのインタビューでした。

取材レポート:象牙.com 編集部

河原明秀
2012年、東京国立博物館「高円宮コレクション」に作品展示
日本最大級の根付館「京都清宗根付館」に作品展示
作品の素材:象牙・黄楊・黒檀・マホガニー等使用
作風:動物を得意とし代表作は河童やカブトムシ。その他人物・神仏像なども手がける。

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